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学校への通学手段は、電車を2回乗り換えなくてはならない。
バスもあるけれど、国道を横断するためかなり渋滞する。だからお母さんやお父さんから、電車を勧められた。
電車通学は、最初は戸惑ったりしたけれど、今はなんとか楽しんでいる。
でも、なんだかんだで自宅から学校まで50分くらいかかってしまう。
その乗換駅で電車を待っていると、後ろから隼人がやってきた。
「麻季、おはよ」
「あれ?隼人。おはよ」
私はキョトンとして隼人を見上げると、隼人は私の頭を優しく撫でて、
「朝一緒になるなんて、珍しいなあ」
と呟くように言う。
「今朝はチャリじゃないの?珍しいのは、隼人よ」
「そうなんだよ。麻里ねぇにブッ壊された。嫌がらせだね」
隼人が唇を尖らせて言うので、なんだか私はおかしくなって吹き出した。
「昔はあんなに仲良かったのにね。へんなの」
私がクスクス笑っていると、隼人は私の肩を抱き寄せて、
「このまま、サボる?」
と悪戯っぽい笑顔で言うので、私はプイッとそっぽを向いた。
「いーや。どうせエッチなことしか考えてないんでしょ!」
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