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ドアが勢いよく開いて、隼人がそこで仁王立ちしている。私は思わず涙ぐんで、
「こ、こわいよぉ!!隼人のバカァ!!」
と泣き出してしまうと、隼人は私に駆け寄ってぎゅっと抱きしめてくれた。
「受験が終わったら、デートしよう」
「えっ」
一瞬涙が止まってしまった。というより、引っ込んだ……。
「お前が高校生になるまで我慢しようと思ったんだけど、無理みたいだ。麻季。俺、お前が好きだよ。他の奴に取られたくない。だから、俺の彼女になりなさい」
「…なんで命令系!?」
泣きながらそう言うと、隼人は少し照れたように笑った。
「じゃ、麻季はいやか?」
「全然いやじゃない!!」
思わず力説してしまうと、隼人は嬉しそうににっこりと笑った。
「んじゃ、今日から俺達、恋人同士ってことで……」
と言いながら隼人の顔が近づいてくると、私は頬を真っ赤に染めながら、
「ま、ま、待ってよ」
と隼人の肩を掴んで言うと、隼人は怪しげな微笑みで私の頬を両手でガシッと掴んだ。
「照れない照れない。どうせお前も今日告るつもりで、窓開けて待ってたんだろ?じゃ、キスくらい………」
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