第2部 第5章 富原しずねの長い1日 後編

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優しく、ない!! 私は空いた口が塞がらなかった。 麻里さんはニコッと笑って、 「負けてらんないのよ。弱肉強食だからね!!」 と言いながら頷いて、とっとといなくなってしまった。 私はどーなるの!??? 茫然。 少しすると、パンパン!という誰かがゴールする合図が聞こえた。 秋永先輩か。 私は空を見上げながら半べそだ。 そこに顔を出したのは……。 「大丈夫?富原さん」 私は唇を噛み締めながら、また顔を上げて彼を見た。 太陽が眩しくて、私は片目をつぶった。 「…榛原、くん?」
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