第2部 第5章 富原しずねの長い1日 後編

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「もしかして、泣いてる?」 「ま、まさか!!子供じゃあるまいし!」 私は必死にごまかして唇を尖らせた。すると、榛原くんの右手が降りてきて、 「捕まれ」 と短く言うと、私はドキッとしながらも榛原くんの腕にしがみついた。 5分ぶりぐらいに、また外の景色が戻ってきた。 草食男子なくせに、意外に力強い。私は榛原くんの顔をじっと見つめていると、榛原くんはにっこりと笑って私の頭をポンポン叩いた。 「なんか、かわいーな」 ドキドキドキドキ……。 な、なに、これ。 私は硬直したままで、榛原くんも動こうとしないでままだ。 もしかして、私………。
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