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そこに突然。
「キャーッ!!」
と悲鳴が響き渡って、私と榛原くんは我に返った。
網の中から悲鳴が聞こえる。この声はまさか……!
と思うと同時に、ゴールした秋永先輩が血相変えて駆け寄ってきた。
「麻季?!」
秋永先輩が叫ぶと、網の中から、
「はやとぉぉ!!」
と麻季さんの泣き声が聞こえると、秋永先輩は網を思いきりひっくり返した。
そこには、赤いボタンを押した麻季さんが子猫まみれになって腕やら頬に引っ掻きキズができていた。
大きな瞳は涙目になっていて、地面に這いつくばりながら、
「隼人!猫、やだよ~~!!」
と嘆いていた。
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