第2部 第5章 富原しずねの長い1日 後編

20/28
前へ
/568ページ
次へ
わ、わけわかんないけど、とりあえず頷いて榛原くんと手を繋いで障害物コーナーへと急いだ。 さっきも確か渡った平均台を、両手を広げながらバランスとって端から端へとスムーズに渡り、網の中をくぐり、よく見ると所々にボタンがあるけど、無視して這いつくばって進み潜り抜けた。 5段、8段、10段の跳び箱があって、榛原くんは10段を、私は5段を飛び越えると、8段跳び箱を超えた先に水を引いたゴムのプールが見えて、私はブルッと身震いをした。 跳び箱の次は、小石が敷かれた一面を走り抜ける。 けど、 「い、痛い痛い!!」 と小石を踏みながら痛くて悲鳴を上げてしまう。榛原くんは私に振り向いて手を差し伸べると、私はまたドキッとして榛原くんを見つめた。 「な、なに!?」 「いいから!早く!藤澤さんが後ろについてきてるよ!」
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5093人が本棚に入れています
本棚に追加