第2部 第5章 富原しずねの長い1日 後編

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私は失格ではあるけれど、秋永先輩の靴下はGETしたから、まぁ、よしとしようか。 と思って自己解決して、榛原くんから歩いて立ち去ると、葵さんと容さんに立ち塞がれた。 二人は仁王立ちだ。 葵さんなんか、滅茶苦茶機嫌悪そうに私を睨んでいる。私は体を小さく丸めながら、 「な、なによ」 と双子を睨み付けると、 「隼人の靴下は返してください」 と葵さんは冷たく言って、私の尻ポケットから秋永先輩の靴下を取り上げた。 「葵のやつ、さっきの競技がなにもできないまま失格だったから、かなり機嫌悪いよ。逆らわない方がいいって。お前のためだ」 容さんが私の肩をポンポン叩きながら言うと、私は面白くなくてふて腐れた。 「靴下くらい、いーじゃないですかぁ」 「没収!」 双子は冷たく言い放って、とうとう何処かに立ち去っていった。
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