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私は失格ではあるけれど、秋永先輩の靴下はGETしたから、まぁ、よしとしようか。
と思って自己解決して、榛原くんから歩いて立ち去ると、葵さんと容さんに立ち塞がれた。
二人は仁王立ちだ。
葵さんなんか、滅茶苦茶機嫌悪そうに私を睨んでいる。私は体を小さく丸めながら、
「な、なによ」
と双子を睨み付けると、
「隼人の靴下は返してください」
と葵さんは冷たく言って、私の尻ポケットから秋永先輩の靴下を取り上げた。
「葵のやつ、さっきの競技がなにもできないまま失格だったから、かなり機嫌悪いよ。逆らわない方がいいって。お前のためだ」
容さんが私の肩をポンポン叩きながら言うと、私は面白くなくてふて腐れた。
「靴下くらい、いーじゃないですかぁ」
「没収!」
双子は冷たく言い放って、とうとう何処かに立ち去っていった。
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