第2部 第5章 富原しずねの長い1日 後編

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私はまたドキドキしはじめて、榛原くんの顔をまっすぐ見れなくてそっぽを向いてしまった。 「一ヶ月は話しかけないで。榛原くんのファンの人たちに滅茶苦茶怒られちゃったんだから」 「ふぅん。いいよ」 あっさり。 私は何故かムッとして榛原くんを睨むと、まだ榛原くんはニコニコ笑っていた。 「だけど、俺は富原さんが好きだよ。同好会とかいろいろめんどうだから、秘密で付き合ってもいい。みんなの前で一ヶ月くらい話さなくたって、気にしないよ」 サラッと告白してなかった? 私は返事が思い付かない。 今、私を好きだとか言ってなかった? 「な、何血迷ってんの?!」 「いや、別に血迷ってないけど…」 「むむ、無理だよ」 「何が無理なの?俺のこと、嫌い?」
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