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頭の中に複雑な数本の糸が、こんがらがってほどけない。
榛原くんは私に近づいて、私は後ずさりをしたけれど、さらに榛原くんが近づいてきた。
「だから、無理だから!」
「無理ってなに?」
「いや、だから。その……ご、ご法度なの…!」
私が心底真面目に言うと、榛原くんは吹き出して私の腕を掴む。
「ご法度って……ふるっ!」
って言いながら顔が近づいてくると、私は思わず目をぎゅっとつぶって降参した。
すると、そこに、
「おい、富原。俺の靴下……」
と教室の後ろから秋永先輩と麻季さんがやってくると、私達は驚いて四人で顔を見合わせた。
麻季さんは頬を赤く染めて、
「お、お邪魔しました~~~」
と言って秋永先輩の腕をグイグイ引っ張っている。
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