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「ち、ちが……!そ、そうだけど、違くて!!あのね!!」
私は隼人の腕の中でもがいて、
「おねーちゃんが………!!」
と、やっとのことで言うと、私の後ろにある壁際のベッドから、
「いいねぇ。隼人クゥン。そのまま押し倒しちゃって」
と部屋の隅からお姉ちゃんの声がして、隼人はハッと我に返り、タラー……と額から汗が流れた。
ゆっくりと隼人が部屋の端を見ると、現役女子大生の姉、麻里が私のベッドに俯せになりながら頬杖をついて私たちを見ていた。
「いい度胸してんね、隼人。私の前で妹にあんなことや、こんなことまで………」
とお姉ちゃんはニヤリと笑いながら言うと、隼人は私の肩を離してお姉ちゃんを睨みつけた。
「まだなんもしてねぇよ」
「まだ!?」
お姉ちゃんも隼人を睨みつけている。
「私の麻季に手を出そうだなんて、あんた、わかってんだろうね」
「……いいのかな?そんなこと言って」
「は?!」
私とお姉ちゃんは驚いて隼人を見ると、隼人は部屋のドアを開けて、
「おばさん!!また麻里ねぇが麻季の部屋に来てる!!」
と叫ぶと、お姉ちゃんは目を丸くして立ち上がった。
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