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「隼人!あんたッ」
とお姉ちゃんが怒鳴りかけると、そこに今度はうちのお母さんが階段を駆け上がってきて部屋にやってくるなり、
「麻里!!あんた、また麻季の邪魔して!!」
と怒鳴りながらお姉ちゃんの腕を掴むと、
「お母さん!あたしより、隼人の方が危ないのよっ!」
とお姉ちゃんがお母さんに真剣に訴えるけど、お母さんはそんなお姉ちゃんの頭を叩き、
「隼人くんは勉強見てくれてるの!邪魔するんじゃないわよ!もうッ!!!」
と怒鳴って、とうとうお姉ちゃんを連れて部屋を出ていくと、隼人はニッと白い歯を出して笑った。
「軽い軽い!!」
「隼人………イイ性格してるよ…」
「で、麻季の気持ち、聞かせてほしい」
「は?なんの?!」
「さっきの話の続き」
にっこりと甘いマスクで微笑みながら、隼人は私の腕を引き寄せた。
何処まで話したんだっけ?
えっと…………。
私が困っていると、隼人はおかしそうに笑って私の額を小突いた。
「…困ってる?…罰として、今からみっちり一時間、勉強しごいてやる!!」
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