第5章 隼人の密会

3/17
前へ
/568ページ
次へ
「またまた~!期待してるクセに!!」 「してないもんッ」 肩をいからせて私が言うと、そこに葵と容も後ろから現れて私達を挟むように立つと、 「サボリはよくないですね」 と葵が言う。私の隣に立つ容も頷き、 「もしサボるなら、ついていくけど」 と私を見てにっこり笑うと、その笑顔がなんだかかわいくてキュンとしてしまった。 葵は無表情なんだけど、容のほうが喜怒哀楽を現しやすい。 「そこまでついてこなくてもいいんだけど」 と隼人がつまらなそうに言うと、私は吹き出してしまった。 「やっぱりヨコシマなこと考えてるんじゃない!!」 私がそう言うと、隼人はニカッといたずらっぽく笑っていた。 「ねぇ、葵と容は、なんでそんな、護衛みたいなことしてるの?」 と私が尋ねると、ホームに電車が入って来た。 「え?お前、覚えてないの?この二人のこと」 「え?」 隼人は私の手を繋いで、入って来た電車に乗り込むと、葵と容も後に続いて乗って来た。
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5093人が本棚に入れています
本棚に追加