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「え?なになに?葵さん、どうしたの?」
と私が首を伸ばして葵の背中を見つめていると、容はため息をついて葵の背中を見送りながら、
「葵のやつ、古谷春海に惚れたかも・・・・」
とぼそっと言うと、私は驚いて葵の背中を見つめた。
「まじで!?」
「あんな女、どこがいいんだ?マキのことイジメた女だぞ」
隼人がそう言うと、私は思わず隼人を睨みつけた。
「ちょっと!!もう私は気にしてないんだから、蒸し返して悪口言わないでよね!!」
私は隼人の顔を覗き込みながら言うと、隼人は眉をひそめて私を見つめた。
「お前、何されたか分かってんのか?」
「はいはい。終わったことはもう忘れてください。そんなことより」
「マキ!!????」
まったく。
執念深いんだから・・・・。
隣の車両に移動した葵は、ドア口に立っていた春海に歩み寄り、春海のすぐ後ろに立っていた中年の男を睨みつけている。
「痴漢・・・?」
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