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「気のせいじゃない?彼女を前にして、他の女の子と見つめ合うなんてさ」
教室で、春海と仁美と3人で話していた。私は仁美に今朝のことを相談してみた。
他校の美女と、隼人が見つめ合ってた……って話し。
仁美は冷静にそう答えて、パックのオレンジジュースを飲んでいる。
「いくら生徒会長でも、それはないでしょ?」
仁美はそう言って微笑んでいる。春海は頬杖をつきながら、
「でもさ。確かにすごい美人だったよね。同性から見ても、なんだか憧れるくらいの」
と言うと、私は頷いて春海を見た。
「うん。テレビとか出てそう……」
「絵になるカップルだった…。理想の恋人同士みたいな……。副会長と生徒会長もお似合いだけどね」
「まだそんなこと言ってるし」
仁美はキッと春海を睨む。私は口を尖らせて俯いてしまった。
確かに。
私なんかよりは、ああいう綺麗な人のほうが似合うけど………。
「ドラマとかでもよくあるシチュエーションだよね。偶然会った二人が恋に落ちるって……」
「春海…!」
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