第5章 隼人の密会

9/17
前へ
/568ページ
次へ
仁美がキツめに春海に言うと、春海も気がついて私を見ると、 「や、やだなぁ。冗談だよぉ。生徒会長の彼女は、あんたなんだからさ。自信持ちなって」 と明るく笑って顔を覗き込むと、私は涙ぐみながら春海を見つめた。 「春海……!」 「麻季がチンチクリンだってなんだって、生徒会長が選んだのはあんたなんだからさ!!」 あんたって奴は!!!そういう奴だよ! さらに涙が溢れてくると、仁美が春海の頭をゴンッと殴って、 「いい加減にしなさいッ」 と叱ると、春海はまた声を上げて笑って私にしがみついてきた。 * 「……びっくりしたよ。………うん。今日、行くよ」 生徒会室で、隼人は携帯電話で話していた。今、そこには隼人以外、誰もいない。 「うん。……分かってる……。俺だって…………会いたいよ」 *
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5093人が本棚に入れています
本棚に追加