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仁美がキツめに春海に言うと、春海も気がついて私を見ると、
「や、やだなぁ。冗談だよぉ。生徒会長の彼女は、あんたなんだからさ。自信持ちなって」
と明るく笑って顔を覗き込むと、私は涙ぐみながら春海を見つめた。
「春海……!」
「麻季がチンチクリンだってなんだって、生徒会長が選んだのはあんたなんだからさ!!」
あんたって奴は!!!そういう奴だよ!
さらに涙が溢れてくると、仁美が春海の頭をゴンッと殴って、
「いい加減にしなさいッ」
と叱ると、春海はまた声を上げて笑って私にしがみついてきた。
*
「……びっくりしたよ。………うん。今日、行くよ」
生徒会室で、隼人は携帯電話で話していた。今、そこには隼人以外、誰もいない。
「うん。……分かってる……。俺だって…………会いたいよ」
*
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