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リヒトフォーフェンはその後も何度か出撃したが…
撃墜は未だ果たせずにいた。
そんな頃、彼は休暇を与えられ…列車でドイツへと移動していた。
その列車の中で…彼はとある軍人を見かけた。
「ん…あの軍人…どこに行くんだろう…」
彼はそう思いながら、手に持っていた新聞を開いた。
すると…その新聞にあの軍人の写真が…
『空の英雄、オズワルド・ベルケ中尉!撃墜スコアを4に!』
そんな見出しが踊り、その下に…彼の写真があった。
「この人が…あの…ベルケ中尉か!」
リヒトフォーフェンも彼の名前は知っていた。
ベルケ中尉はもう一人の撃墜王、マックス・インメルマン中尉とともに…
パイロット達の畏敬の的となっていた。
リヒトフォーフェンの居る部隊でも…
彼ら二人の名前を知らぬ者はおらず、その…撃墜時のエピソードは語り種(かたりぐさ)になっていた。
リヒトフォーフェンは失礼と思いつつも…
彼に話しかける事にした。
「撃墜する極意を…是非、この人から聞きたい」
彼はその一心でベルケに近いた。
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