第二章…出逢い

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『失礼ですが…オズワルド・ベルケ中尉とお見受け致しましたが…』 その軍人…ベルケは、窓に向けていた顔をリヒトフォーフェンに向けた。 『ああ…私はベルケだが?君は?』 ベルケはゆったりした風情を見せ、リヒトフォーフェンに名前を聞いた。 『はっ!私はマンフレート・フォン・リヒトフォーフェンと申します!階級は少尉であります!』 リヒトフォーフェンは踵を揃え、まるで新兵が教官にするような挨拶をした。 『ははは…リヒトフォーフェン少尉、そんなに形式張る必要は無いよ。楽にしたまえ』 ベルケはその顔に微笑みを浮かべ…仕草で彼の正面の席を指した。 リヒトフォーフェンは正面に座り、いきなり切り出した。 『中尉殿、私はオステンド伝書鳩部隊に所属しておりまして…』 『ん?君はパイロットなのか、オステンドに居るのだな?』 『は、そうでありますが…未だに敵機を撃墜できずにおります。 どうか秘策のようなものを…ご教授頂きたく…』 この問いに、ベルケは笑いながら答えた。 『ははは…簡単な事だよ、リヒトフォーフェン少尉。 撃墜のコツは…上手く近づいて飛びかかったら、上手く狙って撃つだけさ』 ベルケは、生真面目に話すリヒトフォーフェンを気に入ったようで… 列車が目的地に着くまで、彼らはまるで兄弟の様に…親しげに話していた。
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