金糸雀

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行きなさい! さあ、早く! 女は そう 言うと 苛立たし気に 籠を 揺すった 白い 鳥籠から 一羽の 小鳥が 飛び立った 青空 めざし 飛ぶ姿を 見つめ 女は 泣いた 突然 籠から放たれた 小鳥は 訳も分からず ただ 広い空を 自由に 飛ぶ 喜びに 包まれていた 秋晴れのぬけるような 青い空 鮮やかな小鳥の黄色 絵のように 綺麗で 目立っていた くるくると ひらひらと 飽きもせず 小鳥は 飛んでいた ねぇ、ちょっと! 気が付くと 誰かが 呼んでいた ビルの端に 茶色の鳥 近くに 行くと 危ないよ と 言う 何? 君 目立つから 食われるよ 食われる?誰が?誰に? 君がだよ!カラスとかにさ 生まれてから 籠の中 一度も 出た事のない小鳥 なんだか 分からないまま隣に とまった 茶色の鳥は 雀だと言う 雀は いろいろと 話をする 半分も 分からない小鳥 一緒に 居る事が 嬉しくてうなづいていた
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