金糸雀

5/5

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
次の日 雀がやって来た おはよう ねぇ 寝てるの 小鳥は 弱々しく答えた 来てくれたの ありがとう いいんだよ だけど 君 大丈夫? お腹 空いてるの? 待ってて 雀は 又 バタバタと 飛んで行った 待って~ 小鳥は もう お腹は 空いていなかった ただ 側に 居て欲しかったひとりぼっちが 寂しくて 悲しかった しばらくすると 雀は 戻ってきた 小さな パンのかけらを くわえて さぁ 食べな 元気が でるよ 小鳥は さほど 食べたくはなかったけれど 雀の気持ちが 嬉しくて ほんの少し ついばんだ ごめんね 君が 雀なら 一緒に 飛んで 餌場に 連れて行ってあげるのに なんたって 君は・・・ 目立つからね~と 小鳥は言った うん 雀は すまなさそうに うなづいた 気にしないで 本当に ありがとう うん 又 来るね 雀は 元気よく 飛んで行った 小鳥は 弱りきっていた ぼんやりと 考えていた この羽の色 綺麗だって言ってくれた人居たけれど・・・ 可愛い声で 唄うのねって笑ってくれた人 居たけれど・・・ そうだ 唄おう 気付いてくれるかもしれない 此処に居るよ~と 唄おう けれど 弱りきった小鳥 かすれた声しか でない 頑張っても 頑張っても 高く 透き通った 声は 出ては こなかった その時 暖かな 風が 吹きぬけた おいて゛ ひとりぼっちに しないから 一緒に 行こう 小さな 小さな 金糸雀 暖かな風と 旅立った 思いきり 自由に 青空を 飛び回れる旅へと
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加