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「どうしてだよ!? お前が行く必要なんてないだろう!? 俺が代わりに――!」
「馬鹿だな。お前じゃ力不足だよ。――――ふん。でもまあ、約束を守れなかったことは詫びてやる。だが。一つ言っておくぞ。わたしは今から世界平和を守る英雄になるんだ。わたし自身が望んでやること。勘違いするんじゃないぞ」
朗らかに、晴れやかに笑って、そんなことを言う。
頼むから、英雄になんかなるな。
どれだけ言いたかったことか。
『お前のせいだ』
声が、聞こえる。いつも通りに。
あいつの声かもしれないし、母親の声かもしれないし、全然知らない誰かかもしれない。
けれどいつも、いっそ呆れてしまうくらいにいつも、夢の中に現れては爆弾を落としていく、声。
そしてそこで決まって――――
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