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殆んどの生徒達が前に注目している中、陽はどうするか悩んでいる。
陽にとって今はかなり不味い状況だ。
(どうしましょう。魔法なんて数年ぶりですから加減できるか分かりませんし、先生に「魔力が高過ぎて周りに被害が出る」なんて話をした所で信じてもらえないでしょう)
「さっきから何か考えてるみたいだけど、どうしたの?」
陽が悩んでいると少女に声をかけられた。
「いえ、魔法をどうしようかと考えたんですけど……」
「次、26番」
話していると、陽の番号が呼ばれた。本人は、呼ばれた事で一気に焦り始める。
「…………呼ばれたから行きますね」
なんとか平静を装いながら言ってみるが、頭の中はどうやって切り抜けるかで一杯だ。
「上手くいくよう祈ってるね」
そんな陽の状態を知ってか知らずか、少女は励ましの言葉をかけた。
「……ありがとうございます」
少女の言葉で少し落ち着きを取り戻した陽は、礼を言い、前に出た。
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