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(どうしましょう。防衛学の度に欠席する訳にはいきません。仮にそうしたとしても補習は確実ですし……)
「あの~」
陽が頭を抱えていると声をかけられた。
陽はハッとして、声がした方を振り向いた。
そこには空色の髪に、空色の眼をした少女がいた。髪は肩にかかる程度の長さで、何となくふわふわとした感じの雰囲気をしている。背の高さは陽と同じ位だ。
「顔色悪いですけど……大丈夫ですか?」
そう言われるのも無理はない。何せ、青ざめた顔でこの世の終わりと言わんばかりの表情をしていたのだから。
「大丈夫です。心配をかけてすみません」
「そうですか……それなら良いんですけど。
…………それと、そろそろ練習場に行った方がいいと思いますよ」
時計を見ると、もうすぐ授業開始の時間だ。
どうやら悩んでる間に、大分時間が経ったようだ。
「……走らないと間に合いませんよこれ」
因みにここは3階だ。
「あなたが保険室に行けば言い訳は立つと思いますよ」
「いえ、最初の授業を欠席するのは不味いでしょう」
そうこうやり取りしている内に、時計の針が少し進んでいた。もう、ほとんど時間が無い。
「…………」
「…………」
時間がもう無いという事に気付いた2人は顔を見合わせ……
「……取り敢えず行きましょうか」
「そうね」
ダッシュで教室を出ていった。
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