第1章 焔は風に吹かれて

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 「廊下は走らないように」というが、2人の頭の中には、そんなフレーズは無い。  廊下を走り抜け、階段を飛び下りる。少女の方は走るというより跳んでいる。 「走るの速いね。火属性?」 「はい。貴方こそ風魔法がとても上手なんですね」 「魔法は昔から得意だったからね」  魔法の属性と身体能力には関連性がある。火属性なら、体を動かす為のエネルギーが高く、身体能力が高い。風属性なら肺活量が多い、など。因みに、属性は火、風、水、土がある。  更に、魔力の高さも体に与える影響に関係している。魔力が高ければ高い程、その人の属性が体に与える影響も大きくなる。  陽は身体能力の高さを活かしてかなりの速さで走っており、少女は風魔法で周りの空気を操作し、突風を起こす事で跳んでいる。 「あなたも、結構スピード出してるのに、走って追い付けるなんて凄いね」 「まぁ、魔力だけは高いので」  結局の所、どちらも凄い。
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