第1章 焔は風に吹かれて

8/14
前へ
/424ページ
次へ
 話している内に、練習場に着いた。  幸い、廊下には人が通っていなかったので、難なく着くことが出来た。  練習場はコロセウムから観客席を取ったような造りをしていて、入口近くに休憩出来る様な場所があった。  2人が周りを見回すとと、隅の方にあるベンチに、銀次が寝ているのが見えた。 「先生、来るの“は”速いね」 「“あんなの”でも一応先生ですからねぇ」  酷い言われようである。  2人が話していると、授業開始のチャイムが聞こえてきた。 「生徒達は中央に集合な~」  チャイムが鳴り終わった直後、銀次の気の抜けた声が聞こえてきた。どうやらチャイムと同時に起きたようだ。  中央の方を見ると、他の人達はもう集まっている。 「いきましょ」  何だかんだでこの少女、かなり馴染んでいる。
/424ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1127人が本棚に入れています
本棚に追加