第1章 焔は風に吹かれて

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 2人が中央に来て、銀次が喋りだした。 「よーし、今日はお前らが魔法をどれだけ使えるか確認するから、1人ずつ得意な魔法を使ってもらう。 それじゃ、番号順にやるから最初の奴は前に出ろ」  1人の生徒が前に出る。その生徒は手を前に突きだした。 「ファイア」  生徒がそう唱えると、突きだした手から炎が出てきた。  魔法とは、自らの魔力を、呪文を唱える事によりその属性の事象に変換する術である。先程の生徒は、「ファイア」と唱える事により、自分の火属性の魔力を炎に変換したという訳だ。 (火の初級魔法か、つまんねー)  銀次はその様子を見ながら、なんとも失礼な事を考えている。  魔法は初級、中級、上級と区分けされている。初級魔法は変換した魔法をただ放出するだけの魔法。中級魔法は放出に加え、出した魔法を操作する魔法。上級魔法は魔力をその属性に対応した物質に込め、その物質を操作する魔法である。 「はい、次2番」  銀次は早く終らせたいのだろう、どんどん進めていく。  殆んどの生徒は、他の人がどんな魔法を使うのか興味があるようで、前に出ている人に注目している。  生徒達は初級魔法を始め、様々な魔法を使っている。中には、見栄を張って上級魔法を使おうとして失敗する者もいる。
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