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「隼人……何してるの? 早く食べなさいよ」
今、僕は東条院家のある一室にいる。かなり広く、家具も一級品の物だと見ただけでわかる。
そこの真ん中にある、異様に大きいテーブルの上には今まで見たことなどない料理品の数々が載せられている。
……なんかもう、見ただけでお腹一杯になりそうです。
「あの……玲奈お嬢様」
「うん? 何かしら?」
さすがは東条院グループのお嬢様。行儀作用がしっかりしてる。
スープなども音をたてずに飲んでるし、ナイフの使い方も僕とは比べ物にならない。
ホント……僕なんかが専用執事なんかでいいのだろうか?
「僕…………こんなに食べれないです」
料理を出す人を間違ったんじゃないかと思うほど、僕だけにたくさんの料理が用意された。
熊でも食べきれないんじゃないのかな。
「そうなの? あんたのお母様がたくさん食べるからよろしくって言ってたから、てっきりそれぐらい食べるのかと……」
「限度ってものがあると思います」
「まっ、あんたが食べきれないなら仕方ないわね。料理長に言っとくから安心しなさい」
こういう優しさには、びっくりする。
僕は今までお金持ちというのは性格が悪いと勝手に考えていたから、玲奈お嬢様の優しさには仰天した。
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