第一章 学園

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 食事も食べ終わり、僕とお嬢様はお喋りの時間に入った。お喋りといっても、向こうからの一方的な質問マシンガンなのだが。  そして、その質問の内容はあまりにも恋愛が多い。そこまで気にすることでもないと思う。  いや、切実にそう思うんですけど。 「ねぇ、隼人っていつキスしたのよ?」 「…………は?」 「だぁかぁらぁ、いつファーストキスはしたのよ!」  そんなの答えるべきことじゃないような。それに僕はまだ…… 「あの……僕はまだファーストキスはおろか、彼女ができたこともないんです」  お嬢様が眼をパチパチさせる。顔つきは、嘘だぁと言っているようだ。 「あのねぇ……隼人。私に嘘は利かないのよ。わかった?」 「はい」 「で、ほら私の質問には真面目に答えなさい。隼人は私の専属執事なんだから」  うーん、全然信じてもらえてないみたいだ。かと言って、さっきの言葉は本当だし…………、どうしよう?  困るに困った僕は、話を変えることにした。 「あ、そういえば玲奈お嬢様は恋人ができたりしたことあったんですか?」 「……あんた、話を変えようとしても無駄だからね」  うーわー、見抜かれてました。いや、マジでどうしよう。  誰か助けにきてくれないかな。ホント、誰でもいいんで。  僕のそんな願いが、本当にいるかどうか知ったこっちゃない神様に通じたらしく、部屋のドアが開いた。
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