第一章 学園

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 部屋に入ってきたのは、女性だった。  流れるような金髪のロングヘアーに、透き通るような蒼い瞳。身長は見ただけで170センチはありそう。 「何よ、お母様。私は今、隼人と喋ってるんだから用事なら後にしてよ」 「用事なんてないから安心してもよろしいですわよ」  なんと、玲奈お嬢様の母上だったらしい。  そういわれると、所々似ている。魅力的な唇とか、スーッと高い鼻筋とか。  てか、僕も挨拶しなくては。 「初めまして! 遅くになりましたが、これから玲奈お嬢様の専属執事をやらせてもらいます、天宮隼人です! これからよろしくお願いします!」  一通り自己紹介みたいなのを言い、頭を下げる。これで初対面から嫌われることはないだろう。  …………声が掛からない。十秒ほどたったに、お母様からの声がしない。  どうしたのかと思い、顔を上げる。  その直後だった。 「可愛いですわ!」 「……──ガハッ!」 「お母様! 何をしてるのよ!!」  僕はお母様にダイレクトアタックを食らって、床に倒れた。頭がガンと当たる。ものすごく痛い。 「可愛いですわ。可愛すぎます! わたくしがこの子を貰いますわ!」  何かヤバイこと言ってますよ、この人。てか、助けてくれてないじゃん。余計に事態を悪化させてくれてるじゃん。
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