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その後も健治からいろいろ教えてもらった。
この世界には、火、水、風、地、という属性があるらしく、個人の属性はここにきたときに決まるのだという。
健治は自分は風属性なんだといった。
ほかには、モンスターを倒すための武器も買えると言う。しかし俺には金がないぞ、と言うと、
「大丈夫、最初はただでくれるよ。金が無くて武器が買えないから死ぬかもしれないからね」
さりげなくトンデモ発言をかました健治に軽く恐怖を覚えながらも俺たちは武器屋に向かった。
「これは…銃じゃないか」
「そだよ、ここには銃もあるんだよ」
このことは俺にとって幸運だった。得意分野の武器があるということほどうれしいものはない。
ということでどの銃にしようか、と選び始めた、そのときだった。
「モ、モンスターが出たぞ……ぎゃぁぁぁぁぁあああ」
誰かが叫び、かすかに聞こえる何かを切り裂く音。何か冗談抜きにやばい気がして来た。
「もしこっちにきたら僕が抑えるからその間に早く決めて!」
「お、おう」
と、返事をして銃の選定に戻るが、ぶっちゃけどれが良いかわからん。
「来たっ!」
健治が叫んだ。見ると少し離れた角からモンスターらしきものが曲がってきた。そいつは俺を夢の中で散々追っかけまわしたブフだった。
「行くよっ!」
健治は自分の武器らしき剣を出した。
「ウィングスラッシュ!!」
健治はブフに向かって剣を振りまくった。すると、剣から風の刃が飛び出し、ブフの腹のところを切り裂いた。
「ぎゃおおおおおお!!!!」
ブフは悲鳴を上げたが、すぐに立ち直ってまた走ってきた。
「ブフは地属性じゃからあまり効果はありゃせんぞ」
慌てて出て来た武器屋の親父が言う。
「くっ……」
健治はそれでも剣を振る。
しかしブフは強襲を決め込んだらしい。切られても無視して突っ込んで来る。
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