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僕は、もうそんなものを無条件に信じられるほど、綺麗じゃない。
純粋な雪のようには、もうなれないから。
うわべだけの期待をちらつかせてから、絶望の底へ突き落とされるなんてもう嫌だ。
「僕に、関わるな」
震える声。
喉が痛いから、という理由だけじゃないことは、自分が一番わかっている。
「もうたくさんなんだよ!!
僕には安らかに死を待つ権利さえないのか!?今まで、お前よりずっとずっと医者を見てきた!
人間の汚さを、お前よりずっとずっとずっと知ってるんだ!!」
叫びはじめた僕にひるんだのか、銀は黙った。
そんなことにさえ苛立ちを感じてさらに声を張り上げた。
「ほっといて欲しいんだよ!
それが一番なんだよ!!
もう安っぽい期待をみせるな、夢をみせるな、希望を持たせるな!全部、いらないっ!」
(喉が、熱い───………)
けれど、いまさら止められるはずもなくて。
「お前に僕は治せない!
治る見込みがないやつが、僕に関わろうとなんてしなくてもいい!僕だって、好きでこんなふうになった訳じゃないのに!!」
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