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「──っ、あはは!」
僕の悪戯に気付いたのか、銀は拗ねたような顔をしている。
おとなっぽい顔立ちなのに、どこかアンバランスなその表情はよく似合っていた。
「もう、喉大丈夫?」
恨めしそうな声で体調を尋ねてきた銀に、なんとなく素直に答えた
「もう大丈夫だよ」
あからさまにほっとしたようで、胸を撫で下ろしている。
「あ、でもまだ痛いな」
さっきとは打って変わって鋭く真剣な視線を僕に向けてきた。
「な~んてね」
「────はぁ~。
その冗談、心臓に悪いよ…」
「あっそ」
銀の弱々しい声を一蹴して、やけに身軽な白衣をみた。
「ねえ、銀」
「一応銀先生なんだけど。
はい何でしょう?」
独り言か嫌味かわからい(どっちでもいい)発言を聞き流し、不思議に思ったことを聞いた。
「カルテは?」
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