** 雪 凍る 夢見

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窓の外には、真っ白な世界が広がっている。 雪は溶けることなく地上に降り積もり、淡く綺麗な色に染めた。 足跡なんてひとつもない、まっさらなノートのような純粋な世界。 僕はそんな世界を、窓越しでないと見つめることができない。 僕のいる部屋も白いけれど、それには作為的なものを感じる。 もし体が自由に動くのなら、足跡を惜し気もなくつけて、あの誰も触れずに地上に落ちてきた雪を散らかして遊べるのに。
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