17人が本棚に入れています
本棚に追加
窓の外には、真っ白な世界が広がっている。
雪は溶けることなく地上に降り積もり、淡く綺麗な色に染めた。
足跡なんてひとつもない、まっさらなノートのような純粋な世界。
僕はそんな世界を、窓越しでないと見つめることができない。
僕のいる部屋も白いけれど、それには作為的なものを感じる。
もし体が自由に動くのなら、足跡を惜し気もなくつけて、あの誰も触れずに地上に落ちてきた雪を散らかして遊べるのに。
最初のコメントを投稿しよう!