** 雪 凍る 夢見

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はい、と返事をすると同時にドアが開いた。 きっと、返事を待たずに開けるつもりだったんだろう。 「こんばんは」 僕は、その低い声に促され、顔をあげた。 面倒くさそうな風を、装って。 視界に入ってきたのは、ひとりの男だった。 染めたことなさそうな黒い髪は、この部屋ではひどく目立つ。 顔立ちは整っている。目つきは悪いけれど、それさえ容姿を際立たせている。 身長はわりと高く、180くらいはあるんじゃないかと思うくらいの長身で、すらりとした細身だ。 ネームプレートには、「零能 銀」とあった。
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