** 雪 凍る 夢見

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「本当のことでしょ。もう知ってるんだ。前の病院で言われた」 こともなげに言った。 銀の表情はさっきのまま。 「点滴なんて、もういらないから。お金を取るだけ取って、またどこかへ飛ばすんだ」 「お前なんか、だいっきらい!」 銀は、ゆっくりと、絞りだすように声をだした。 「きみを、死なせは、しないよ」 その言葉は、僕の笑いを誘うのに充分だった。 「……はは、はははっ! みんな最初はそう言うんだよ! それからどうなるかなんて、もうわかりきってる!あっさりポイ、だよ!」 「そ、んなこと…ない、よ」 「嘘つくならもっと上手についた方がいいよ! 僕はもうそんなに長くない。 だからほっといてよ!」
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