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里桜…多分何食べようか迷ってるんですね…顔見ればわかります…
「あ、一人です。僕は食べないので」
チリーン
「え!お金払ったの!?」
「え、前払いですし」
「なんで!?」
「なんでってほら、あそこに前払いって…」
僕はレジの上の看板を指差して言ったのに、里桜は手を下にさげる仕草を見せました。
「そーじゃなくてっなんで橙が当たり前みたいに払ってんだよ!」
「僕はリーダー研修で里桜に色々我慢させてしまいましたから。これくらいは当然ですよ」
だって本当にそうだと思いましたもん。
それに
どうせ最初っからねだるつもりだったんでしょう?
「ウフフー♪」
「うわぁ…これまた沢山取ってきましたね…」
「パンプキンパイもショートケーキもチョコレートプリンもあったんだよー!いただきまーす!」
…可愛いですね里桜は…。こんなに可愛い里桜を見られるのならあのぐらい安いものです。
「あれっ、橙は食べないの?」
「ええ、甘いのはちょっと…」
「ええー!ほんあにほいひひよに!(こんなにおいしいのに)」
「はは…」
ある程度察せたけど何言ってるかわかりませんよ…。
「…里桜」
「ん?」
「里桜はどうして僕を『橙』って呼ぶんですか?みんな『オレンジ』なのに」
「『オレンジ』考案したのは俺だよ?なのにみんな呼び始めてさ。俺だけの特別な呼び名考えてたのにみんな呼んだら意味ないじゃん。だからもうシンプルに『橙』でいこうって思って。
なんで?」
「いえ、そのケーキの上の蜜柑みてたらなんとなく思っただけです」
里桜は里桜なりに考えて呼んでたんですね…。
「あ、これ?食べる?」
「いえ、それは里桜が…」
「ん~じゃあ…お願い、食べて?あ~ん」
お願い!?お願いと来ましたか…仕方ないですね…。
「おいしいです」
「あ、口元にクリーム発見!」
指で取ってペロッとナメた里桜。…可愛すぎです!
「もう、橙はだらしないなぁ」
里桜…テンションMAXですね…
「…フフっ、口元と鼻につけてる里桜に言われたくないですよ」
「えっ、笑ってないでとってとって!」
「はいはい」
親指と中指ですくってなめました。これが公共の場でなかったら、きっと口を直接もっていってましたけど。
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