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また…。またあの人がいる…。
「もう帰るぞ。いい加減諦めろ麻菜。」
「待ってよ要お兄ちゃん」
どうしてあの人はいつも江間先輩の隣にいるの!?江間先輩に声かけにくいじゃない!
何もあの人が悪いとは言わないけど…さ。
「麻菜、今日は買い物頼まれてたろ」
「…うん、もう行く」
「…よし」
要お兄ちゃんが頭をポンポンと叩いた。
「ねえ、要お兄ちゃん」
「何?」
「いつも江間先輩の隣にいる人、誰?」
…お兄ちゃんごめんね。
「…麻菜がそれを知ってどうするんだ?」
この話、お兄ちゃんが不機嫌になるって知ってるけど…
「…ごめんね」
やっぱり、あの人が誰か知りたいの。
「ハア…」
…。
「…あいつは3の2の鞠手 里桜。江間の幼なじみらしい」
あたしはびっくりして下ろしていた目線をバッとお兄ちゃんの方へやった。
「お兄ちゃん…!」
「私はこれぐらいしか知らない。あとは自分で調べろよ」
「うん…!」
あたしはお兄ちゃんの手をぎゅっと握った。やっぱりお兄ちゃんはあたしの大好きな優しいお兄ちゃんだ!
お兄ちゃんはそっぽ向いてるけど、どんな顔してるんだろう?
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