プロローグ

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私は篠沢 要(シノサワ カナメ)。中学三年。 私は二年前、女をやめた。理由は思い出しただけでも吐き気がするので、きかないでいただきたい。 私は妹の麻菜にもお兄ちゃんと呼ばせている。麻菜はそれを素直にきいてくれる。しかし、『要お兄ちゃん』呼ぶとき、時折寂しそうな表情を見せるのは気のせいだろうか…。 こう見えても私は片思いの恋愛をしている。相手は… 妹の麻菜だ。 麻菜は兄の私から見てもかなり可愛い。そこらのモデルなんか麻菜にかないっこない。 しかも性格もいいときた。とても私の妹とは思えない。 私は女をやめたのだからもっと堂々としていていいはずだが、それが叶わないのは姉妹、いや兄弟だからなのか…?それとも私の体は女だからか…? 麻菜は最近、生徒会長の江間に首ったけのようだ。私がいくらやめろと言ってもきいてくれない。 麻菜に嫌われたくないあまり、自分の気持ちは押し込めてきた。しかし、そろそろ限界のようだ。 私の可愛い麻菜を男なんかに奪われるくらいなら、いっそこの腕で抱きしめて潰してしまいたい…!
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