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物だらけで狭い倉庫室が、とんでもなく窮屈になった。
「……時間をかけすぎたか」
少年の顔が明らかに強ばる。
アンブレルと呼ばれたウミウシなんか、彼の陰に逃げ隠れる始末。
それほどまでの存在が、僕の後ろにいる訳で。
「ラキリー、怖かったろう?もう大丈夫、早く逃げなさい」
バルバロッティさんは優しい声でそう言ってくれた。
でも、あの子は銃を持っていて、いくらバルバロッティさんだからって大丈夫な訳じゃ……。
「おい、デカブツ。この銃が見えないのか?ちょっとでも変な真似をしてみろ。お前は穴だらけに」
ぶぉん
また、部屋が揺れた。
ぶぉん
また、視界が揺れて……僕の前を素早く何かが通っていった。
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