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「はーい。注目注目!ラキリーのジャグリングショーが始まるよー」
考えに考えて考えたけれど、結局僕にはこれしかないらしい。
「はっ、ほっ、やっ」
次々とボールを投げ、簡単なジャグリングを見せてみる。
果たして、ウミウシは興味を持ってくれてるだろうか。
「なんだ、あいつ」
呆気に取られた顔でこっちを見る少年。
バルバロッティも、いきなりの僕の行動に何だか戸惑っているようだった。
あれ?もしかして僕、何か間違って……。
「キュウ」
なかった。
呆れ気味の二人と違って、キラキラとした眼差しを向けてくるお客様が一名。
「……さ、さてお次はボールの代わりにこちらのナイフで」
見て貰えればやる気が出るのがパフォーマーの性ってモノで。
何だかノってきてしまった僕は『気を引きつけおいて、銃を拾う』と言う目的を忘れ、『頑張ってお客様を喜ばす』事に一生懸命になっていた。
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