盗まれたサックス。

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火星公演を無事成功させた僕たちは、次の公演場所であるエメル星へと向かっていた。 「エメル星まで三週間はかかる。健康管理、道具の手入れ、次回演目のチェックと練習をしっかりとしておくんだぞ」 団長は少し厳しい顔でそう言ってから、またいつもの笑顔でこう続けた。 「ちなみに、今日の夕飯は土星魚のムニエルと牡牛座ビーフのステーキだ。間食などせずに、しっかりとお腹を空かせておくんだぞ」 ピンと張りつめた空気が解けて、皆も僕も笑ってしまった。 団長は芸には厳しいけれど、すごく優しくて良い人なんだ。 まあ、団長だけじゃなくて『星空サーカス団』は皆仲良しだし、皆良い人なんだけどね。
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