四季

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初めて吸った空気は透明で 初めて吐いた空気も透明で これが一生続くのかと 肩を落とした。 彼はそんな私を見ては微笑むばかり 私の反応を観察しているようだ。 「あなたは誰?」 彼は微笑みながら答える 「四季。君の、他角的一人称だ」 彼はとても嬉しそうに、気持ち良さそうに笑う 「よろしく」 彼はそう言って手を伸ばしてきたが私は手を差しのべなかった。 「残念だ」 そう言い肩をすくめながらも彼は嬉しそうに微笑んでいた。
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