3878人が本棚に入れています
本棚に追加
「う~ん…これもあっちも可愛いなぁ…」
とか花が悩んでいると、莉王が、ひしっ、と花の腰に抱き着いてきた
「ん?莉王ちゃん、どうしたの?」
「ふみ、花お姉ちゃんも下着買うの?」
「うん、そうだよ」
そうだ、と、花は何かを思いついたように呟き、莉王の目の前に水色と白のしましま下着と、ピンクのかわいらしい下着を出す
「莉王ちゃんはどっちが可愛いと思う?」
「…みゅ?」
莉王が首を傾げたのを見て、花は自分が何をしているのかに気付いた
下着を選んで、と言っているようなものだ
いまさらながら、顔が赤くなる
「あやややや、莉王ちゃん、い、今のは…」
忘れて、と言いかけた時
「ピンクが可愛い」
「…え」
「僕はピンクが可愛いと思う」
花硬直
「ふにゃあ~………」
花はくらくらとふらついて、試着室の外壁にもたれかかる
「うにゃ?花お姉ちゃん?」
莉王がてちてち、と花に近寄る
―――り、莉王ちゃんに恥ずかしい事聞いて恥ずかしい事返されちゃった…
花はポワンとした頭の中で、かろうじてそんなことを考えていた
しかし読者の皆様
考えていただきたい
莉王は花から、どっちの下着が可愛いと思うか尋ねられて、率直に可愛いと思う方を答えたわけであるので、別に他意は無いのだ
「う…と、とりあえず、これ…買うね」
花はふらふらと下着をレジへ持っていく
サイズの確認はしたのだろうか?
とか莉王が考えているわけはなく、優樹の元へ向かった
最初のコメントを投稿しよう!