どうあっても輝く星であれ

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―――…ば 「馬鹿な!?」 高木に渡ったボールが、ゴール下にいた雄仁に移り、落ち着いて決める 「っしゃあぁぁぁぁぁっ!」 歓喜の声が一発、雄仁がチームメイトとハイタッチをしていく そして 「よくやった!羽木雄仁!」 将人からのハイタッチ 「…うしっ!こっからノッて行きますよ!」 「もとより、その気だ!だが!」 わざわざ、だが、と言った 将人の見つめる先を見て、雄仁の顔から威勢が少し治まってくる ―――守屋…! 彼から感じる威圧感が、半端でない 汗が吹き出る ―――ちくしょう、ずいぶん息落ち着けたつもりだったのに… リストバンドで汗を拭い、ディフェンスに戻る キュ 「…は」 さっきまで、バッシュが床を踏み締める音は数え切れないほど鳴っていた その音にだけ反応したのは何故か 理由は簡単 ただ踏み締める音ではなかった 『踏み込む』音だ 振り返った時、守屋は振りかぶっていた 「…!?」 ブンッ、と風が唸り、腕が振られる 高い軌道 スパッ 入った とんでもない、ロングショット 三連続で取ったポイントが、もう半分返された 腕を振り抜いたモーションから、ゆっくり背筋を伸ばし、緊張した肩を呼吸で鎮めて、将人と向き合う 「…藤堂」 「なんだ!?」 「俺は、負ける気などさらさらない」 「だろうな!だが!」 びっ、と、将人の握り拳が守屋の眼前に突き出される 「それは俺にも無い!」 頭上に来たボール パスかどうかはわからない だが、将人はそれを後ろ手で掴み、振り回す要領で放り投げる 「微塵もな!」 シュパァッ
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