どうあっても輝く星であれ

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それは、一瞬だったのかもしれない だが その一瞬が、全てを変えた ○ 残り1分 その差は 1点 数字上、まだ花形のリードだが 「最後まで気を抜くな!シュート一本で返される差だぞ!ビハインドだと思え!」 守勢に回ることはない 「全力攻勢だ!逆転するぞ!」 祇園蔡も、試合開始直後以来、一番迫っている機を逃さないように全面対決に打って出る 最初に仕掛けたのは花形だ 有村がボールを持ってライン際を走り、反対のラインの草野と長距離のパスワークを見せる 「止めろ!潰せるぞ!」 「潰せるか!?やってみろ!」 高木と有村の一騎打ち 有村がドリブルで抜こうとすれば、高木が道を塞ぐ しかも、とんでもない速さで、だ 流れに乗って、体力の限界を越えている 「…でもな、拮抗した差だと、どっちにも流れってのはあるもんだ!カミつくぞゴラァ!」 ぶわっ!と上下左右に体を振る 終盤も終盤、こんな時間に激しい動き 「くっ…!」 ―――捉えられない! 「オルアァァァァァ!」 左に動いた 咄嗟に、右手を出す しかし、そこに有村はいない 「…なっ…」 振り返る 左に向かう瞬間、体を強引に右に寄せたのか カミついてはいない だが、完全にフリーにしてしまった シュートモーション ボードにバウンドさせるレイアップが決まった 3点差 この曲面で、離された シュート一本では逆転出来ない 『一本』では
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