どうあっても輝く星であれ

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―――直線的なドリブル!? 「くそっ!速ぇ!」 ディフェンスの構えを取る隙も無い 速すぎる ―――何が狙いかわからないが、止めなければやられる! 満を辞して守屋がアプローチをする 簡単には抜けなくなった はずだ それは、たしかにドリブルでは抜きにくい だが 空中だったら? 超長距離の レーンアップだったら? 「…!」 バン! また踏み込んだ フリースローラインより、遥か遠くで 高く、大きく 『飛』んだ 「おぉぉぉぉぉ!」 手を高々と挙げ リングにねじ込む ボードにぶつかりながら 「ふぐおっ!」 着地は両足だったものの、たたらを踏む 1点差 「…あれ?」 花が、?と首を傾げる 「どったの?花ねぇ」 「え、あのね、すごく静かなの」 「…あ」 「バスケの試合って、終わり際になると静かになるの?」 違う そんなことは無い こんなに白熱した試合で、静かなままなどあるものか これは、観客全員が コートのプレーに魅了されている証拠 誰も声を発せられない あのコートの中を見るのに、全ての機能を注いでいる 声も、耳も、全て忘れて 目に焼き付けている あの… 星のように輝く選手の 一番星のように眩しいプレーを
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