どうあっても輝く星であれ

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「おまえが来ないから、いつまでも誕生日ケーキが出せなかったんだ」 「…兄さん…」 ちょん、ちょん、と切り分けていく 「あぁ、そうだ」 四分の一を二つに分け、皿に盛る 「…はい?」 ことり、とテーブルに置く 「サプライズ、それの意味がようやくわかったんだ」 「…サプライズ?」 「あぁ、こういう時に言うんだろう?」 テーブルの向かいに座った将人は、真っすぐ風華を見据える 「…誕生日おめでとう、風華」 何日も遅れた言葉 でも 大好きな人から伝えられた言葉 その日 ようやく私は16歳になった 誰よりも 何よりも輝く、一番星のような兄のそばで ハッピーバースデイ
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