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「じゃあ莉王ちゃんは向こう行っててね」
花は優樹に左腕を掴まれながらも、莉王をリビングの外へと出そうとする
そんな花の右腕を、今度は明奈が掴む
「どしたの?」
「花…あなた莉王をのけ者にする気?」
「?」
花は首を傾げる
のけ者?なんのことだろうか?
明奈は莉王にするりと近付き、しゃがみ込む
「莉王…花ね、莉王を仲間外れにしようとしてるんだよ…」
「「えっ!?」」
莉王はもちろん、花もびっくりする
「花はね、莉王を廊下にポイして、自分だけ秘密のヨーグルト食べようとしてるの」
「え、ちょ、明奈ちゃん!?」
花がわたわた、と慌てていると、莉王が花の方を振り返った
「花お姉ちゃん…ホント…?」
うるうる、と涙目で尋ねる莉王に、花の心は打ちのめされる
「違うの!莉王ちゃん!えと、その、ヨーグルトなんか食べないよ!」
「………僕にもちょーだい?」
どうやら莉王の中では、花がヨーグルトを持っていることは確定事項のようです
花はどうしたらよいかわからず、とりあえず冷蔵庫からヨーグルトを持ってこようというあんまり結論とは言えない結論に達した
「はい!あの牧場の自家製プリン!…プリン?」
間違えてプリンを持ってきてしまいました
花ってホントにあわてんぼさん
「う、あ、え…と、はい!」
プリンを莉王に手渡す花
「…みゅ?」
「それ食べて…許して?」
スプーンも渡された莉王は、一度花を見て、プリンのカバーをぺりっと剥がして、もひもひし始める
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