nursery storys

4/5
前へ
/21ページ
次へ
冬美は、蓮見は、黒のスーツ姿なのに対し、貴城の白のシャツ、ジーンズという普段着のような出で立ちが不思議だった。  冬美は、案内された応接室に、ぎこちなくはいる。  蓮見は、後に入ってきて書類を用意していた。 「ご希望の人数を指定していただきます。」 「1人、です。」 蓮見は、書類に手早く記していく。 「はい、予算はどのように致しますか?」 冬美は、困った。 「よく分からないんですけど低価格は、どれくらいなんですか?」 当然と言えば当然だ。なかなか『殺し屋』などお目にかかることもましてや、依頼する事もないのだから。 蓮見は、平然と書き込みながら、他のいくつかの書類を見比べて言った。 「そう、ですね。6~7万当たりがまだ保証書が付きますが、5万以下ですと、保障出来ない場合があるのでおすすめしておりませんが?」 「保障、と言いますと?」 冬美は言葉を詰まらした。 「刑務所にいく、とか警察に疑いをかけられるとかですね。 こちら側としても、命懸けな商売です。」  女性は、にこやかに笑む。   「まあ、金額次第で100%な担当者を紹介出来ますよ。」 冬美は、ほとばしる恐怖に息を飲んだ。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加