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冬美は、蓮見は、黒のスーツ姿なのに対し、貴城の白のシャツ、ジーンズという普段着のような出で立ちが不思議だった。
冬美は、案内された応接室に、ぎこちなくはいる。
蓮見は、後に入ってきて書類を用意していた。
「ご希望の人数を指定していただきます。」
「1人、です。」
蓮見は、書類に手早く記していく。
「はい、予算はどのように致しますか?」
冬美は、困った。
「よく分からないんですけど低価格は、どれくらいなんですか?」
当然と言えば当然だ。なかなか『殺し屋』などお目にかかることもましてや、依頼する事もないのだから。
蓮見は、平然と書き込みながら、他のいくつかの書類を見比べて言った。
「そう、ですね。6~7万当たりがまだ保証書が付きますが、5万以下ですと、保障出来ない場合があるのでおすすめしておりませんが?」
「保障、と言いますと?」
冬美は言葉を詰まらした。
「刑務所にいく、とか警察に疑いをかけられるとかですね。
こちら側としても、命懸けな商売です。」
女性は、にこやかに笑む。
「まあ、金額次第で100%な担当者を紹介出来ますよ。」 冬美は、ほとばしる恐怖に息を飲んだ。
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