introduction

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《[赤頭巾]赤頭巾と狼 証拠は一切残さないが、主に虐殺扱いになる。病死・老衰死以・自殺等の見せかけの依頼は受け付けない。》   と言う文面の上にあどけなさが残る少女と青年の写真が載せられていた。  肩までかかる黒髪と眉のまっすぐに切り揃えた前髪から見える、シルクのような白さが際立つ顔。  日本人形のような、幼い顔から滲みでる美しさ。  一重と切れ目は、大概不細工に見えがちだが、この少女だと美しく見える。  青年は、茶髪でワックス等で髪を整えている。やや彫りが深い顔立ちは、端整と言っていいだろう。  (なんか、アンバランス・・・)  冬美がそう思うのも無理ない。少女と青年は全てに置いて対称的だったからだ。  例えば、表情にしても、少女は、むっつりと不機嫌そうなのに青年は人懐っこい笑顔だし、造作にしたって少女は古風な顔立ちだが、青年は今風の可愛らしい造りの顔なのだ。 服装を見ても少女は、ちっともお洒落もしないのに青年は、流行をいつも気にしている、といった出で立ちだった。  冬美は、ぎょっとした。 「あの、この子たちが仕事するんですか?!」
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