二人は先輩

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「100ページ目の頭が謝罪シーンで悪いな」 誰に言っているのだろうか 「柚、そろそろ行かないと…」 葵が心配そうな声で呟く そうだ、少し時間を食い過ぎてしまった あまり莉王に構ってはいられない 「じゃあ、俺らはもう行くからな」 柚季は立ち上がり、さっさとトイレを出ていってしまった 「ごめんなさい…」 葵は最後にもう一度謝って、柚季の後を追った 莉王はくすんくすん、と鼻をすすりながら立ち上がり、目をぐしぐし、と拭った 「ふに…」 とぼとぼ、と力無く歩き出した ○ その日の夜 日村家 「ごちそうさま…」 もしゃもしゃ、とサラダを頬張る由利子と伊織の横を通って、流しに向かう 「あら~?」 莉王の食べ跡を見て、何か見つけたように由利子が首を傾げる 「どしたの?」 「ん~、ちょっとばっちいかな~?」 「だから何が?」 「コロッケの衣カスよ~、いつも莉王君はちゃんと綺麗に食べるでしょ~?」 そんなことは知らないが 「そうだっけ?」 「そうよ~、あなたと違ってね」 ちょっと棘のある言い方だが、こればっかりは遺伝だ 実際、母だってさっきからサラダのドレッシングをボタボタとこぼしている 「とりあえず~、何か動揺してるみたいね~…何でかはわからないけど~」 まあそうだろう だが、やはり心配だ 「後で、莉王兄さんの部屋に行っておくよ」 「お願いね~」 そう頼まれたからには、やらないわけにはいかない 言い出しっぺだし
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